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執筆者の写真Nao Ogawa

あの日々の名残


明日、久しぶりに雑誌のおうち取材を受けることになり、

今週に入ってからは、仕事や家事の合間にちょっとずつ片付けや掃除を進めています。

メインの被写体はやっぱりリビングや縁側になるだろうなと予測はしつつ、

でも今の自分の気持ちとして、まずどこを片付けたいかといったら、

取材とは関係なく、そりゃもちろん4畳半の仕事部屋です。

そう、わたしと娘の2年半分の汗と涙が染み込んだ(やや煽り気味)、狭くて寒い(これは事実)、

台所の隣にあるこの部屋のことです。 実は取材翌日の土曜日、中学合格のお祝いとして、てっちゃんが買ってくれた娘の勉強机が届く予定で、

それの設置場所は2階の子ども部屋に確定。ということはつまり、わたし:娘のスペースが、

4年生時は6:4→5年生時は5:5→6年生前半は4:6→最後の半年は3:7、そして2:8……と

じわりじわりと侵食されていったこの4畳半の所有権が、

再びわたしの手に戻ってくる、その日がもうすぐそこまでやってきているのです!

嗚呼、汗と涙の日々の向こうには、こんな感動が待ち受けていたなんて。

こうなったらどんなタフな片付け作業も、嬉し涙を流しながらやっちゃおうじゃないの、という構え。


受験が終わって3週間あまり経ちますが、

中学校からも「入学前でも毎日せめて1時間は勉強するように」と言われているし、

母としても、せっかく子どもが身につけた勉強習慣をあっさり手放すのはもったいなさすぎるので、

「これだけは引き続きやりましょうねリスト」を娘に渡しています。

指示待ち妖怪は、恒例のブースカ&バレバレの手抜きをしながらも一応毎日机には向かっていて、

その場所も新しい机がきたら2階へ移るかぁと思うと、ちょっと感慨深くなったり。

片付けの途中、すっかりあたりまえの風景と化していたこのチョークボードに気づき、

撮影には写らないだろうけれど、一応はがしておいたほうがいいかな、と きれいにする前に記念に写真を撮ってみました。 苦しかった受験勉強の名残ともいえる、このボード。

本番前ラスト1ヶ月、間違えた漢字や、暗記ものでどうしても覚えられないワードや年号を

メモに書いてベタベタ貼っていたのですが、斜めに貼っているのは、

佐藤亮子ママの本のなかに「覚えられないことは付箋に書いて斜めに壁に貼ると

自然に目がいくので頭に残りやすい」と書いてあったのを実践してみたからです。

しかし、うちの場合、斜めに貼ったものばかりなので(つまり覚えられないことが多い)、

単なる雑なボードにしかならなかったわけですが…… SNSでもネットの記事でも、中学受験終了報告の文章を目にする機会が増えてきて

世の中には、本に書いてあるお手本のような、

お母さんが少し離れた場所から自主的にがんばる子どもを見守って受験を終える、

しかもちゃんと志望校に合格するなんて美しいストーリーがたくさんあるのに、 それにくらべてわが家の受験のなんと泥くさかったことよ。

でもまぁ、このスマートじゃない感じが、うちらしいのかもね、なんて

夫と苦笑いしながら話しています。

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