top of page

取り戻す時間

執筆者の写真: Nao Ogawa Nao Ogawa


あれもこれも我慢して勉強していたわが家の受験を振り返りながら、 これから中学入学までの1ヶ月半は、失われていた日常をできるかぎり取り戻したいと思っています。

もちろん娘にとって受験は単に通過点に過ぎず、中学に入ればもっと忙しい日々も待っているでしょう。

だからこそ今月と3月が、家族に残された貴重な時間という気がして。 たとえば、自粛期間中に娘が少しおぼえた料理。 先日ふと「そういえば卵焼き、つくってよ」と頼むと、「もう作りかた忘れちゃったよ」と即答。 あれから半年以上経つし、仕方ない気もしますが、

一度おぼえたのだから、取り戻すのは難しいことではないはず。 そう思い、時間に余裕がある週末に作ってもらうように促したり、

また、わたしがまったく手を貸さずに最初から最後まで一人でできるお菓子作りをするのもいいかと

クリームチーズの箱の内側に印刷されているレシピを見ながらレアチーズケーキをつくってもらったり。 自他ともに認める「指示待ち妖怪」ですから(笑)、自らすすんでやることはまずありませんが

言われば、ブースカ言いながらも結局やるのが、娘の基本スタンス。



さて、そんな娘のチーズケーキ。 1回目は、ゼラチンの量が足りなくて生地が固まらず、 2回目は、クッキー土台のバターが足りなくてボロボロに。 毎回味はちゃんとおいしいので、三度目の挑戦となる次回は、完成形を披露できるかもしれません。

それにしても、娘が台所で鼻歌まじりでお菓子をつくる風景が、なんだか夢のように感じてしまうのは、 まだわたしの体から受験の日々が完全に抜けきっていないということでしょうか。 そうして平穏がようやく訪れたところに、突然起きた週末の地震。本当に怖かった…… 震災から10年。どんなときも備えの気持ちだけはゆるめてはいけないと、警告されたかのようでした。 まだ余震への警戒が必要とのこと。

今週も、引き締めるところは引き締めていきましょう。

Comments


© 2025 Nao Ogawa / Takahiro Koike

bottom of page