連載の取材で恵比寿へ。取材を終え、懐かしい街並みを足早に散策しました。名古屋の三越で働いていた父が「恵比寿の三越が見たい!」と、1994年に母と新幹線でやってきて、家族3人でオープンしたばかりのガーデンプレイスを、一緒に見て回った思い出があります(父が商品のディスプレイをしきりに感心していたのを覚えています)
28歳で転職したセールスプロモーションの企画制作会社で、朝から夜中まで休みなく働いたのも恵比寿でした。ちょうど駅前にアトレがオープンしたばかりで活気にあふれ、裏路地には味わいのあるカフェや定食屋、ロック喫茶などがまだ点在していて、よくランチに通いました。
写真美術館のエントランスからの、この眺めが大好きです。奥に見えるのは、植田正治さんの砂丘シリーズ(学生の時、あまりの美しい写真に感激しました)。以前『Pen』の手塚治虫特集で、一緒にお仕事をさせていただいた篠山紀信さんの展示が開催中でした!(落ち着いたら見に行きたい)
そして恵比寿といえば、ぼくら夫婦の両親が初顔合わせをした場所です! 和食の料理がかなり充実していて、最後の鯛めしが満腹でひと口も食べられなかったのは、今も語り継がれる夫婦の懐かしい思い出です。三越は撤退し、父は他界しましたが、20代後半から30代半ばにかけての記憶が、昨日のように蘇ってくるご縁のある場所。きっと土地の相性や磁場が、ぼくと合うのでしょう。
短い滞在時間でも十分に解き放たれ、荒んでしまいそうな心をも気持ちよく潤してくれました。
Comments