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母からのWelcome Board

執筆者の写真: Takahiro KoikeTakahiro Koike

娘さんが結婚式を挙げるというお母さまからメールをいただきました。


「額装のイラストをお願いしたくてメールを送信しました。 娘への結婚のお祝いです。12月に入籍し、5月に親族だけで結婚式をする予定でした。結婚式は9月に延期になったために『これは頼むしかない!』と、思い切ってお願いした次第です」


お母さまから娘さん夫婦へのイラストのオーダーは初めてです。


「結婚祝いですが、2人のこれからにエールを送りたいという気持ちでお願いしたいです。『たくさんの人に支えてもらったことへの感謝と、これからも頑張ってほしい』という気持ちを込めていただければ幸いです」


何度かメールをやりとりさせていただき、お母さまの気持ちをしっかりと汲みとった上で、イラストのディテールは、娘さんたちと一緒に形にしていくことになりました。


新郎さんが着ているのは、holo shirts.というオーダーシャツのブランドと、島根県の天野紺屋がコラボした藍染めのシャツで、新婦さんからの誕生日プレゼントです。お気に入りのカップは、一緒に訪ねた松江の湯町窯で見つけたもの。これまでのTable Talkのイラストはあえて椅子を描きませんでしたが、今回は新郎さんの地元 広島に本拠地を構えるマルニ木工の椅子を描いています


「結婚前から婚約指輪の代わりにマルニの家具を、と話していたくらいです(笑)」と新婦さん。



東京のセレクトショップで働いていたという新婦さんは、島根県の出身。最近気に入ってよく着ているグリーンのTシャツに、イッタラのマグ。こちらのマルニ木工の座面はブラウン。


「気づいたら地元にゆかりのあるものに囲まれています。自分たちで選んだ、お気に入りのものに囲まれて暮らせたらいいね、といつも夫と話しているので、これからの新しい生活の中でもお気に入りのものがだんだん増えていくといいなと思っています」


椅子に座ったお2人が、楽しくトークするテーブルの中央には、新郎さん特製の広島お好み焼き。使い込まれた鉄板とヘラは、実家から持ち込んだ年代ものです。テーブルの端にはけん玉。もともと新婦さんのお母さまが始めたのがきっかけで、夫婦でハマっているそう。(けん玉も広島が発祥みたいですね)


お母さまからのリクエストは、お2人へのエールの旗でした。ぼくがエールに選んだ言葉は、「Thank you for always being with us!」。「いつもわたしたちの味方でありがとう」「いつも一緒にいてくれて(そばにいてくれて)ありがとう」の意味です。お母さまへの感謝の気持ちと、これから夫婦として逞しく生きていくお2人が、互いに相手を思いやる気持ちの両方の意味を込めました。



エールの旗には、新婦さんの実家の近くにあり、いつかぼくも訪れてみたい宍道湖の夕陽を描いています。



「マルニの椅子を描いていただけてうれしいです。早速部屋に飾っています。夫は『お好み焼きにちゃんとそばが描いてある!』と喜んでいました(笑)。新婚の2人の好きなものが全部描いてあるので、数年後には、きっと懐かしい…と思いながらこのイラストを見るんだろうなと思っています」


後日、お母さまからお礼のメールをいただきました。


「額装していただいた絵は、結婚式の前に娘に届けました。ウエルカムボードというよりは、式の間も見守っていてくれたという感じです。2人らしい式でした。結婚式は終わりましたが、2人の生活はこれから。この絵がこれからの2人を見守ってくれたり、支えたりしてくれると思います。勇気を出してお願いして本当に良かったです。描いていただいたこと、感謝しています。ありがとうございました。宍道湖にも、いつかお出かけください、ぜひ!」


新婦の娘さんからもうれしいお礼メールが。

「昨日、無事に結婚式と披露宴を行うことができました。母を含めた親族が広島まで来てくれて、このような状況下ではありますが、アットホームな良い式ができたかなと思います。イラストはウェルカムボードとして披露宴会場の入口に飾らせていただきました。この度は素敵なイラストを描いてくださり、本当にありがとうございました!」


お母さまから娘さんへ結婚祝いのウェルカムボードって、本当に気の利いたプレゼントだと思いました。そしてつくづく素敵な母娘関係だなと思いました。ぼく自身、すでに親せきのおじちゃんのような気分に(笑)。結婚おめでとうございます。末永くお幸せに!

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