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執筆者の写真Takahiro Koike

絵をじっくり見ること。

更新日:2021年3月21日


家にこもって文章や絵を描いていると、ときどき不安になることがあります。仕事はきっちり締切りを守ります。やりたい仕事は迷わず引き受けます。では、自分がこの先表現したい世界は、いったいどんな世界なのだろうか…。


そんな時は美術館やギャラリーに足を運び、好きな作家さんからヒントをもらうことにしています。仕事と仕事のすき間を見つけて、久しぶりの電車で向かったのは清澄白河。


ondoギャラリーは古民家の2階を改装したギャラリー。オンラインで予約をして初めて行ったのですが、作品集やリトルプレスなど、全体のセレクトがかなり好みで、スタッフの方も丁寧でとても居心地よかったです。



展示は牛久保雅美さんの「漂泊」。牛久保さんが手がけた書籍の表紙を見て、とっても気になってしまい、一度原画を見たいと思っていたのです。女性誌や広告、ウェブなどで活躍されている方で、独特の空気感と、芯のある女性たち、シンプルな線の強さとやわらかさ、色と影のコントラストが絶妙で素晴らしい展示でした。



じっくり絵を観ていたら、2人の女性がやってきて、あれこれ迷いながら2人とも絵を購入していきました。絵を選ぶ間、どの部屋にどの絵をどうやって飾ろうか、真剣に楽しそうに相談していて、購入する作品を決めた直後に「絵っていいよねぇ…」という彼女たちの素朴な言葉を耳にして、心の中でぼくも大きく頷きました。


絵の中で表現されている世界と同じような、ゆったりと流れる時間を満喫できて、見終わった後の満足感と余韻も素敵でした。(今月14日まで) 洗練された原画から程よいエネルギーをいただき、頭の中で描いているいくつかの作品をぼくも早く形にしなきゃと思いました。やっぱり「絵はいいなぁ」。

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