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執筆者の写真Nao Ogawa

自分でやってみる



昨年の今ごろも受験勉強で大忙しだった娘ですが、中学生になればなったで、もちろん忙しいのです。 学校がある日は朝7時前に家を出ていき、帰宅は部活がなくても夕方6時とか。

夕飯を食べて、宿題をやって、ちょっとテレビとかYoutubeとか見て、お風呂に入ったらもう寝る時間です。

そんな日々だと平日は基本的に料理を手伝ってもらうことは難しいのですが、 学校が休みの日はなるべく、何かしらつくることを覚えていってほしいと思っていて 夏休みは十八番の卵焼きにくわえて、親子丼とハンバーグをレパートリーに加えてもらいました。

さらに朝食のパンケーキ、そして先日の敬老の日は、

レアチーズケーキづくりも一任してみました(厳密には土台だけ手伝いましたが)。

性格的に、わたしがいると即「指示待ち妖怪」化するため、台所には一人で立たせた方がいいようなのです。 「完全に一人でできた」という達成感と、それがおいしくできた、ほめられたという成功体験が、

料理の楽しさや気軽さにつながっていくのかな、と。 ただやっぱり時間はかかるので、それを急かさない忍耐力が、こちらにも必要なのですが。

先日、取材でお会いした方に「小川さんっていっつもお菓子をつくっていますよね。

相当な頻度だと思います」と不意に言われて、「え、そうなの?」と驚きました。 へぇ、そうなんだぁ……とあらためて考えてみたのですが、たぶんわたしは、お菓子に限らず、

手芸にしても金継ぎにしてもDIYにしても、人にやってもらうという選択肢もあるけれど

自分でもやれないことはないよ、やってみるとけっこう楽しいよ、ってことについては、

後者を選びたくなる性分なんだと思います。 でも子どものころからそうだったわけではなく、

おそらく一人暮らし以降にめきめきと伸びてきた面のように自分では思っていて、

だから娘にも、親元にいるときから何でも自分でやってくれる子に……とまでは期待していません (そういうのが好きな子ならもう自分からやっている気がするし)。

でも、いつか家から離れて暮らした時に、「そういえばこれって子どものころつくったことあるな」と

ふと思い出すような体験を、ちょっとでも増やしていってくれたらいいなと思います。 イヤイヤやってもらってもお互い楽しくないので、頼むタイミングとか、けっこう気を遣うんですけどね。

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