ふるさと探訪~下北沢編
- Takahiro Koike
- 2 日前
- 読了時間: 4分

学生時代はレコ屋とライブハウスに通いつめ、30歳になりカフェの料理人として毎日通った下北沢は、ぼくの数あるふるさとの一つです。下北の最も古いカレー店として知られる「茄子おやじ」へ。オープンは1990年。吉祥寺にあるカレー店「まめ蔵」から独立したのが始まりです(まめ蔵は友人が働いていてよく通いました)。どちらも変わらず営業しているのはすごいなぁ。

久しぶりに訪れたのですが、まぁ落ち着きました。35年以上営業を続けてきた内装にはそれなりの味わいと角の取れた自然な丸みがあり、奥のテーブル席にはオザケンの90年代のポスターが。お客さんは若い学生やカップルたちで賑わっています。ちょうど発売されたばかりの『シュガーベイブ50周年記念盤』をわざわざカセットテープでかけていてエライ! ぼくはカフェで働いていた時のBGMは、どんなに忙しくてもスタッフみんなで手分けしてレコードをかけていたのを思い出しました。

カフェ時代は遅番担当で夕方になると自宅の三軒茶屋からこの道を自転車で通っていました。AM3:00ラストオーダーでしたから、帰りはいつも明け方。昼夜逆転の生活です(よくやったもんだ)。

茶沢通りのジャズ喫茶「POSY」は健在。入ったことないけど、ここも長いです! 松田優作さんが通った店で知られる同じ茶沢通りの「レディ・ジェーン」は4/13に閉店してしまい、通りかかった時はちょうど荷物を運び出している最中でした。

五差路にある「餃子の王将」はバンドマン、演劇人、学生たちの憩いの場所。ライブ前に友人と待ち合わせて、餃子とビールを注文するのが定番でした。

細い路地に小さな古着店が並ぶのは、懐かしい風景でもあり、上京したばかりの学生には新鮮な風景。この奥にもおいしい居酒屋さんが並び、楽しそうに飲む作家の吉本ばななさんを見かけたことがあります。

この先の路地を右奥に入ったところに働いていたカフェがありました。常連だったシーナ&ロケッツのお2人が夫婦でランチタイムに大きな犬と一緒にテラス席でコーヒーを飲んでいたり、サニーデイ・サービスの曽我部恵一さんもよく来店してくれましたね。俳優の柄本明さんはママチャリで走る姿をしゅっちゅう見かけました。

学生時代にTシャツやネルシャツを探した古着店CHICAGOも健在。ネオンも変わらずでうれしい!

2階にある映画館「トリウッド」の素晴らしい上映ラインアップ!「ブラー」に「ベルばら」からの「くるり」「直太朗」の流れは、学生だったら一日中ここで過ごしていたと思われます。

この日のお目当ては「古里おさむと風呂敷」のライブ@下北沢440。以前、優河さんと吉田省念さんのライブを家族で観に来たことがあります。この日もお子さん連れの方がちらほらいて和やかムード。

古里おさむさんは幡ヶ谷にある「ウミネコカレー」の店主でバンドマン。「ウミネコサウンズ」というバンドで活動していましたが、メンバーチェンジして久しぶりにアルバムをリリースしてくれました。「ウミネコカレー」がまだ西永福にあったころ、古里さんの作るカレーが好きでよく通っていました。
ベースの樋口さんは禅宗のお坊さんで、ドラムの藤村さんは保育園の調理師なのだそう。みなさん本業がありながらバンド活動を楽しむ姿は、たとえ粗削りな演奏であっても微笑ましく、MCを含め終始やさしい雰囲気に包まれました。演奏の合間に「香りがいいからぜひみなさんで」と「沈香」のお線香を客席のお客さんに手渡し、演奏中順番に回してみんなで香りを楽しんだのは面白かったです。
終演後にグッズやCDを本人たちが手売りする姿は、学生時代に通ったライブハウスのよくある風景でしたから、懐かしさを通り越してなんだか新鮮でした。
帰り道、下北沢でライブを観るのがぼくは好きで、インディーズの素朴な音がいつまでも好きなんだな。お酒を飲まなくなったことと、年齢を重ねたこと以外に好きなモノ(カレーも!)はなーんにも変わっていないんだなと思いました。また下北のライブに行こう!
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