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  • 執筆者の写真Nao Ogawa

お礼の野菜



昨日の昼間、夫が2階から慌てた様子で降りてきて

「おむかいの家のおじさんが玄関前で動けなくなっている」とマスクをしながら出て行きました。

わたしも後を追いかけて行くと、いつも挨拶を交わす、70代と見えるご夫婦二人暮らしの家の前で、

以前より下肢が動かなくなる病気になってしまったと聞いていた旦那さんと

その体を一人では家の中まで運べない奥さんが、身動きもとれずに困っている状態でした。

わたしと夫と奥さんの3人がかりで旦那さんの体を抱えて家の中のベッドまで運んだのですが

これから車椅子生活になるためバリアフリー工事をする話などを聞き、

「遠慮せずいつでも呼んでくださいね」と声をかけて帰ってきたのでした。

小柄に見えるおじさんの体が、3人で持ち上げてもすごく重かったことに驚いたし、

力が入らないといってぐにゃりと折れたままの脚を思い出しては

午後になってもなんとなく心が曇っていました。


しばらくすると、玄関のチャイムが鳴り、先ほどの奥さんが 「さっきのお礼に。本当に助かりました」と言って、直売所で買ってきたという野菜を置いていきました。 その前日は、裏のお宅の一人暮しのおじいさんの娘さんが来て、 近々庭の工事の騒音で迷惑をかけるからとお菓子を持ってきてくれたのですが

80代なかばだろうと思っていたおじいさんが、なんと90歳と知ってびっくりしたばかりでした。 うちのまわりが昔から長く住んでいる方が多いということもありますが、

こうして高齢化社会の現実が、自分にも少しずつ迫ってくるのだなと感じた一件でした。

それでも新鮮な野菜のお礼は、とてもうれしかったです。

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