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執筆者の写真Takahiro Koike

あだち充 再燃中!

更新日:2021年8月27日


楽しそうに中学校に通う娘を見ていたら、どうしても『タッチ』が読みたくなり、少しずつ揃えてみました。内容は知っていても忘れていることが多く、30年以上ぶりに読み返して、手に汗握る後半の展開には、新鮮な感動を覚えました。巻を重ねるごとに、描線がどんどん洗練されていくので、線の描き方の勉強にもなります。(真剣なシーンとギャグシーンが交互に出てくるのは、読んでいて気持ちいいし、不意に作者が登場して、いい訳や宣伝をするところも、かなり好き)


『タッチ』連載時は『みゆき』と同時に執筆していたことを知って、本当に驚きました。しかも、毎回ストーリーの結末は一切考えずに描き進めていくのだそう(すっごい!)。

ぼく自身、中学生の時にあだち充作品に出合い、その頃もおもしろいマンガだなぁと読んでいましたが、今読むとさらにオモシロイのです! 細密な風景描写と登場人物の繊細な表情、そぎ落とされた必要最低限のセリフ、じっくり余韻が味わえるコマ割りなど、ストーリーの面白さもさることながら、すべてのキャラクターに作者の愛情が存分に注ぎ込まていて、まるで細部まで作り込まれた名作映画を観ているような気分になりました。(娘は高校野球が、もう『タッチ』にしか見えないのだそう)



すっかりハマってしまったぼくと娘は、競い合うようにして読み進め『タッチ』に続く名作『ラフ』にもしっかり感動(ラストシーンは秀逸!)。つかず離れず、絶妙なセリフのやりとりと間合いは、奥さんが夢中の『おかえりモネ』の百音と菅波先生にも十分に通じる、ドキドキ&トキメキを感じることができます。いま心に必要なのは(年齢や性別問わず)、誰もが経験するピュアで真っすぐなトキメキなのだと、本気で思っています。夢中になって読んでいた、あの頃の自分を鮮明に思い出すこともできるので、気になる方はぜひに!




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